ラグタイム2号店
Ragtime0
4月1日――この日は、『ラグタイム』の2号店がオープンした日だ。

「今日からオープンだね」

できたばかりの外装を見あげながら、そう言ったのは俺の恋人である黄瀬静絵(キセシズエ)だ。

「ああ、あっと言う間だったな」

俺、白石朝貴(シライシアサキ)は静絵の隣で返事をした。

今のところの従業員は俺と静絵の2人だけだ。

昨日広告会社に頼んで従業員を募集するように頼んだから、もうすぐで募集者がくることだろう。

「朝貴さん」

静絵が俺の名前を呼んだので、俺は彼女の顔に視線を向けた。

「これからはお店のパートナーとして、そして妻としてよろしくお願いします」

そう言って微笑んだ静絵に、
「ああ、こちらこそよろしくな」

俺は笑顔で答えた。
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