ラグタイム2号店
Ragtime1◇1人ぼっちのお嬢様
今から2年前の夏の夜のことだった。

その日は気温が39度もあったと言うこともあり、昼間の熱気が夜になっても居座っていると言うような感じだった。

「熱いなあ」

時間が10時を差した時、いつものように店じまいをしていた。

店の前の掃除を簡単に済ませると、そこに誰かが現れた。

チラリと視線を向けると、黒髪を編み込みにした女…と言うよりも女の子がそこにいた。

年齢(トシ)は大学生くらいだろうか?

彼女がこちらを見ていることに気づいた俺は、
「すみません。

本日の営業は終了しました」
と、言った。

彼女は驚いたような顔をすると、
「えっ…ああ、そうですか」
と、呟くように言った。
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