ラグタイム2号店
Ragtime3◇思い出の月明島
新幹線で関西まで行くと、そこからバスに乗って港の方へと向かった。

「確か、ここから船に乗ったの」

静絵は船乗り場の方へと足を向かわせた。

俺はそんな彼女の後を追うのがやっとである。

静絵って、意外にも行動力があったんだな。

船乗り場の受付へ行くと、
「すみません、月明島(ツキアケシマ)行きの船はもう出ましたか?」

静絵は受付嬢に声をかけた。

「月明島は、本日は9時と15時に船が出ます」

時間を確認すると、ちょうど1時間前の午後2時だった。

「じゃあ、15時の船に乗ります。

大人2人でお願いします」

静絵はポンとお札を置いた。
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