すべてが思い出になる前に
「やっべー、ロッカーに財布忘れてきた…ごめん宮﨑、悪いけど奢って‼︎」
「えっ⁉︎別にいいけど」
そうなるだろうと予感がしていた涼太は、素直に弁当を受け取った。
会計を済ませ、先に医局に戻った涼太は自分の席にパンと缶コーヒーと携帯を置いて席を離れた。
その後入れ替わる様に鴨川が医局に戻り、ご飯を食べ始めた時だった。
誰かの机の上でブーブーブー♪とマナーモードが鳴っていた。
ずっと鳴っている携帯を気にして席を立ち上がった鴨川が、机に置かれていた携帯をじっと覗いた。
携帯の画面には【田上 茜】と書かれていた。
「宮﨑、宮﨑⁈」
「何?」
鴨川が何度も呼ぶのが聞こえ、遠くから返事をした涼太は、駆け足で戻って来た。