すべてが思い出になる前に
「試合始まるから行くぞ」
「えっちょっと待ってよ‼︎」
照史の後を追う茜は走って追いかけた。
出入り口の近くの観戦席に座り、友理奈の座る分まで確保できた。
「確か試合は団体戦らしいぞ」
「涼太はシングルスで、翼はペアで出るらしい」
「ふ〜ん」
入場口から明学の名前が入ったユニフォームを来た選手達がゾロゾロと入場して来た。
「どこどこ⁈」
「ほら、後ろから3番目にいるよ」
照史はカバンから双眼鏡を取り出し始めた。
「賢いわね、ちょっと貸してよ」
茜に言われるがまま照史は「はい」と反射的に返事をし、双眼鏡を渡して茜は「凄い見えるね」と終始関心しながら覗き始めた。