すべてが思い出になる前に
二週間後の8月15日、県大会予選当日。
会場の鳥ヶ濱スタジアムで待ち合わせをしており、茜が1人で立って待っていたところに照史が遅れてやって来た。
「わりーお待たせ」
「ちょっと、15分も遅れてくるなら連絡してよ‼︎」
「ごめんて‼︎ジュース奢るからさ」
「本当に?じゃあ今回だけ許すとしよう」
照史は自動販売機へ行きお茶を買っている間、携帯でメールの返事を待つ茜。
「友理奈は来れるのか?仕事らしいけど」
「朝イチから撮影だったみたいで、『遅れて行くから先に観てて』って来たよ」
今さっき買ったばかりのお茶を茜に手渡した照史は、スタスタと先を歩き始める。