すべてが思い出になる前に
「こんな時間まで課外?」
「うん、課外が終わって自習してるからいつもこんな時間になるの」
「あれ、茜は?」
「茜と課外の教科が違うから今日は一緒じゃないよ‼︎」
ICカードを改札に通してホームで電車を待つ3人。
翼は隣にいる友理奈に、さっきチラッと見た答案用紙の話しをし始めた。
「友理奈はさ、英語得意だったんだな。95点ってすげーな‼︎」
「私は英語と国語が好きなの。理数とか致命的で赤点スレスレ‼︎」
「へぇ〜」と相づちを打つ翼に対し、少し表情を曇らせる友理奈を涼太は見逃さなかった。
「何かあった?」
「えっ?」
友理奈は顔を上げて涼太と目が合った。