すべてが思い出になる前に
「このまま好調をキープして、関東大会優勝できるといいね」
友理奈がニコッと笑顔を見せた。向日葵がパッと咲いたようなそんな感じに涼太の目に映った。
自然と涼太も下を向いてニッと白い歯を見せて笑っていた。
「そうだな。試合、見にきてよ‼︎」
「うん、行きたいな〜」
友理奈は電車が来る方へ向き、勢いよく目の前を通って行く電車の風を感じた。
この時いつもの友理奈なら「行く‼︎」と言うはずなのに、何故断言しなかったのか。その理由が後に分かることに…。