その男×未亡人?





6月下旬になった




今日は梅雨時期には珍しい快晴だ




「屋上が最適だな」




日当たりもいい




絶好のサボり日和




キィィイ




古びたドアを開けると




先客がいた




「あ…藤崎くん」




「佐倉………」




やべっ




朝から佐倉に会えるとかラッキー




うわ、中学生かよ発想




1人でドキドキしてるなんて




佐倉は気付かないんだろうな




「今日…いい…天気だね」




「あぁ…だな」




佐倉は自分から話しかけられるまでになった




こうしてみれば、だいぶ進歩じゃね?




「……さぼり?」




「ふっ……まぁな」




「だめだよ。」




「誰かさんと違って頭はいいんで」




「なっ、普通だもん…」




「誰も佐倉なんか言ってないだろ?」




「〜っいじわる」




やべっ




抱きしめたい衝動にかられる




ポンッと頭に触れる




「えへへ……」




触れられるまでになった自分の努力に




ご褒美をあげたいくらいだ←




でも、時々




佐倉は壊れる




ポロ




「あれ……えへへ……うぅ……っ」




「佐倉?……アイツを呼ばないとっ」




佐倉は…最近また泣くようになった




その理由が分からないのは正直辛い




でも、まだあの男に頼るしかないのが




現状ってやつだ




状況悪化




過呼吸になった




急いで佐倉を保健室に運ぶ




「はぁ………もう、限界かもな」




あの男が呟いた




「お前…藤崎、コイツの過去、知りたいか?」




ゴクッ




知りたくない、わけない




コクン




半端な気持ちじゃねぇ




これだけの症状見てれば




過去がどれだけのものか分かる気がする




でも、それを全部受け止めるのが男だ




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