空に願いを…
『大地、迎えに来たよー』
幼稚園の入口で大地を呼ぶ
はーい、と大きな声で返事をした大地
靴を履いて、外に出てくると
大地はキョトンとしてこちらを見た
少しずつ近づいてくる大地
両親の顔を見て目をパチパチしている
「うーん、ママにそっくりだ」
そう言って、大地は父目掛けて走り出した
父は嬉しそうにしゃがみ込み
大地を両手で抱きかかえてくれた
「初めまして、大地。じいちゃんだ」
「おばあちゃんよ」
両親が大地に話しかけている
いつか、こんな日がくるんじゃないかって、いつも空に願っていた
それが今日、叶った
もしかして、空が叶えてくれたの?
ねえ、空
私、とっても幸せよ
空、大好き…。
【完】