空に願いを…


それから1ヶ月
空はいつもと変わらず
私も変わらず過ごしていた


「ちょっと残業続きになるから、夕食は済ませて帰るから。先に寝ていて」


その言葉通り、空は深夜に帰ってくるようになった
そして、たまにアルコールの匂いをまとって帰ってくることも…


だけど、私の前では
いつもの空だったから
私は全く気にしていなかった



そして、夏が過ぎようとしていた時
それは突然、起こってしまった



「さくら、別れよう」


空の言葉に何を言っているのか
理解ができなかった


「正直、重いんだ。あの事があって責任は感じている、だけどそれに縛られているのが苦痛なんだ…俺を解放してくれ」



空がそんな風に思っていたなんて…
別れを言われるより、ショックだった


いつか結婚しようと言ってくれた空
私の両親に頭を下げてくれた姿

それが今、別れようと頭を下げている
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