one more chance――美少年は女総長――

風斗side


ガラッと教室のドアが開く音と席に着く音が聞こえ
そいつの方を見た。

そしたら篠原 伶は男子制服に、しかも杉森(すぎもり)高校の制服を着ていた。

だから俺は「お前、何が目的でここ(青霧)にきた」
言いながら立ち上がると類が「おい、風斗やめろ」と言ったが

「ああそうだよ、俺は龍の総長」のところでピクッと反応して「だったよ」のところを聞き逃し、手が出てしまった。

殴ろうとしている俺に篠原 伶は凄い速さで殴ってきた。

ドシャン!と机と共に倒れる俺と喧嘩のしたことのない奴が騒ぎ始めた。

しかし、話を止めようとしない。

「だがな、俺は「元」龍だ!それに―――」

それにの後の言葉は聞き取れなかった。

「大丈夫ッスか?風斗」

手を差し伸べる愁がいたが、こいつと殴(や)り合いてぇと思って愁の手を振り払った。
そして再び殴ろうとしたら、ガシッと強い力で腕を掴まれた。

止めた相手を見ると関堂だった。

「センコーは関係ねぇーだろ!離せよ!」

すると関堂はため息を吐き、目付きを変え俺を見た。

「関係なくねぇ、俺も「元龍」だからな」

ドスの聞いた低い声で言って、さらに掴まれている腕に強い力を入れられた。

いッッ!

こいつ、この力で手加減してやがる。

俺は渋々腕を下ろした。

「さ、授業はここまで」

関堂はそう言うと俺にしか聞こえない声で
「やめておけ、伶とお前じゃ レベルが違いすぎる」と言い放ち、教室を出ていった。


風斗side END
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