one more chance――美少年は女総長――

朝が来て目を覚ますと鬼龍はいなかった。

私は寂しさを感じた。

ガラッと音をたてて看護師が入院食を持って来たが食欲が湧かない。

身体を起こし、入院食をぼーと眺めていた。

―――――

「伶、伶はお母さんの大切な宝物よ」

―――――

嘘つき…

11時くらいになっても鬼龍も来なく不安になった。

ガラッ

――――― !?

「わりぃ、遅くなった……って何泣いてんだ?」

築いたら私は泣いていた。

だって来ないと思ったから。

「まあいいや、お前に言わないといけない事がある」

言わないといけない事?

「伶の家を調べたら伶の父親自殺した」

鬼龍からそう告げられた。

それからもうどのくらい泣いたかは覚えていない。

親戚の人が私を引き取ると来たが、私は鬼龍の服の裾を掴み「お兄ちゃんといたい」とわがままを言った。

そして誘拐未遂事件が起きるまで鬼龍の家に世話になった。

事件が起き、鬼龍は私に強くなれと鬼龍が率いる族に連れて来られた。

「で、連れて来たって事か」

「ああ」

「喧嘩教えるとなると小さ過ぎねえか?」

そりゃそうだ。

この時私は小2なのだから。

「まあいいや、俺は関堂 秀平よろしくな」

そう言って私の頭を撫でた。

「後1つ聞きたいんだけど」

「何だ」

「鬼龍が染めたのか?」

秀平が私の髪を指して言った。

「あー生まれつき青だった見たいだ」

鬼龍が言うと秀平は驚いていた。

これが柚原 姫乃、龍ヶ崎 鬼龍、関堂 秀平、龍の仲間との出逢い。


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