one more chance――美少年は女総長――
「龍(うち)の姫に何かしたら許さない」
「それ、そっくりそのまま返す」と言いながら伶を引き寄せる姿を見て
ズキッとした。
「俺達の総長に手ぇ出したら許さない」
いつから愁はそんなに
かっこよくなっちまったんだ?
俺が入る隙ねえじゃん…
「風斗、伶の事好きなのか?」
!?
何でいつも、そういうの分かるかな?
冬悟さん……
まあ、頑張れと目で言われた。
柚原達が居なくなっても愁が伶を離そうとしない。
後ろから「告れ、告れ」と聞こえる。
「ちょ…押すな」という声に
俺、冬悟さん、彪牙さん、姉貴の後ろにいた奴ら全員がなだれ込んだ。
「い…いつからそこに…」と言う伶に
「?俺達の総長に手ぇ出したら許さな…」「だぁー!!」と愁が慌てて冬悟さんの口をふさいだ。
嘘つき、最初から見てたろ。
頑張れか…
隙があったら告るか ――――――