梅に鶯 ~新選組と私に刀~
それで気が済むのなら…
【沖田総司】



屯所が移転してすぐ


悠真を診察に来た、松本先生が

全員の健康診断をした


僕は、〝労咳〟と、診断された





「こんにちは!変わりないですか?」


「うん!まったく!」



日に一度は、悠真が僕の体調を聞きにくる


要するに、日に一度は、必ず悠真に会える


悠真と話ができるんだ



「土方さんがいないと静かだね」


「そうですね
沖田さんも、悪戯出来なくて暇でしょ?」


「そうなんだよぉ~
早く帰って来るといいね」


「ええ」



土方さんは、伊東さんらと江戸へ

隊士募集に行ったんだ



朝比奈さんは、長崎に戻った




「もう、慣れた?」


「何にです?」


「男所帯」


「ふふっ 慣れました」



悠真は、男装のまま

女中仕事や刀の手入れ

武具の管理と医務方の仕事をしている



山崎君の教え子って、事で



「先生がええと、覚えるのも早いなぁ」




山崎君が天狗になっている


あの鼻をへし折りたい……



悠真の努力の成果なんだから!!!






「あっ!!」



ビクッ



「どうしたの!?」



「大福、食べます?」


「うん!!食べる!!」 


「先ほどいただいたのですが
私、まだ食欲がなくて……お茶入れて
お部屋にお持ちしますね!」



そう、悠真はあまり食べなくなった


あんなに甘いものが、好きだったのに


これじゃ、どっちが病なんだか……





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