LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―
面食らった次の瞬間、ピンク色の濃い霧に包まれた。
思わず目を閉じるほど、濃密な香水の匂いがした。
突風が吹いて、霧と香水が飛ばされる。
目を開けると、ぼくは階段に一人で立ち尽くしていた。
「幻?」
リアさんも、脱ぎ捨てられたコートもドレスも、ない。
ここは踊り場ですらない。
鼓動はまだ速い。体の興奮は収まっていない。
ぼくは階段にしゃがみ込んで顔を覆った。
なまなましすぎた。
今さらになって、かなりヤバい状態だったと気付く。
「むちゃくちゃだ、あんなの……」
難易度の高すぎる試験、クリア条件の厳しすぎるステージ。
流されて溺れなかったのは、ほとんど奇跡だ。
ちょっとでも違うスイッチが入ってしまったら、完全にアウトだった。