LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―
「急激に眠くなっただけ。すごいな、C2H6Oって」
「何、その化学式?」
「エタノール。俗称、アルコール」
「スパークリングワインと言いなさいよ」
「香りがよくてオシャレでも、結局はエタノール混合物でしょう。摂取したC2H6Oの質量は15ml未満なのに、全然ダメだ。顔が熱い」
ダークグリーンの目は閉じられている。
まっすぐで長いまつげがうらやましい。
「意外な弱点発見ってところ? 今まで外で飲ませなくてよかったわ」
海牙くんは体を丸めながら寝返りを打った。
この体勢だと、わたしのおなかにくっついてくる形になる。
眠るときは、いつもこんなふうよね。
左を下にして丸くなって、わたしにくっついて、額をすりすりと寄せてくる。