LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―
日常的に知覚することのできない運命の一枝なんてものを、一体、どんな姿でとらえているのか。
好奇心に駆られて、総統に「ぼくも見てみたい」と言ったことがある。
総統は見せてくれた。いや、見せてくれようとした。
ぼくの額にかざされた総統の手のひらから、凄まじい量の情報がぼくの脳へと叩き込まれた。
読解できない、うごめく文字の、途方もない奔流。
ぼくは一瞬も耐えられず、意識を失った。
あんなものを、総統はいつも見ている。
肉体こそ人間のものだけれど、チカラは人間であり得ない。
総統は普段、チカラを外に漏らすこともなく、ひっそりと常人のふりをしている。
たまにチカラの片鱗をのぞかせることがあって、そんなとき、ぼくはどうしても目をそらしてしまう。
処理できない情報の怒涛が視界を占領してしまうから、ただただ怖い。
けれども、その総統を以てしても、未来が少しもわからないときもあるという。
総統は静かな目をしてぼくを見た。
「まもなく、この一枝は分岐すべきポイントに差し掛かる。四獣珠が互いに呼び合い、預かり手たちを引き会わせ、さる問題に立ち向かわせる。
きみたちの勝率は、どうも高くないようだがね」