キミに…Kiss
『さっきね、街で龍ニくんと会ったの。昨日、陸くんがアメリカに行ったって言ってたよ!どういうこと!?』
陸がアメリカに行った?
なに言ってるの?
すぐさま真っ白になった頭の中。
『愛理、聞いてる?』
さっちゃんがまだなにか言ってるのに あたしは電話を勝手に切ると
急いでミリタリー風のコートを羽織り、ノーメークのままで家を飛び出していた。
はぁはぁ…と真っ白な息を吐きながら
自分の全力で、大好き人なの元へ一生懸命走る。
陸がアメリカに行ったなんて──・・・
「そんなの嘘だ。嘘に決まってる!」
あたしに黙って、陸がいなくなっちゃうわけがない。
そう言いながら、鼻の奥がツーンとして目頭も熱くなってくる。