Four you ~2+2=4=2×2~
感想…何かを感じたのは確かだが、それを言葉にするのには、小説を書くのとはまた違った難しさがある。フィクションは書けてもノンフィクションは書けないという人がいるが、私もその一人だった。

「教えてくれない?」

尾張先生はそういうタイプではないのだろうか、感想が私の口から出るのを心待ちにしている。

「あっ…えっと…」

もちろん、あの小説は好きだった。ページをめくりたくなる衝動に何度も駆られ、一気読みしてしまう。ストーリーにスピード感を含みながら、登場人物の心模様も随所にちりばめられ、読後の余韻もある。作者さんこそ無名だけれど、いい読書をさせてくれた作者さんには、改めて礼を言いたかった。

「…う~ん…何て言うたらええんやろ…」

だけど、ただ単純に「好き」とだけ伝えても、それは感想には多分ならない。もっといい言い方が、絶対にどこかにある。

「…そんなに難しく考えなくてもいいんだけどね」

先生が笑う。

難しく考えてしまうのが私の性分なのだが…先生がそう言ってくれるなら、お言葉に甘えてみるのもアリかもしれない。

難しく考えずに、単純に、感想を。

私は、この小説をどう思っているのか。

…そう。

私は、この小説が…。

「…好き」
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