押しかけ社員になります!

ブー、…。ん?西野か。

【土曜日の午後、私の実家に行けますか?】

【今週でいいんだな?】

【はい、そうです】

【大丈夫だ】

【ではお願いします】

【解った】

そうと決まれば。はぁ、やはり別物の緊張だな。…こんな緊張感は初めてだ。大事な人の親御さんに会うと言うのは、こんな感じになるものなんだな。ん?

【部長、少しだけ会いたいです】

どうしたんだ…。来ればいいものを。
RRRR…。プツ。出た。

「もしもし西野?何かあったのか?」

「…部長恋しい病です。あ、…違います」

はぁ…。西野…お前って奴は。

「どこに居るんだ?」

「…」

「どこに居る?近くに来てるのか?」

「どこでしょう…」

おい、大丈夫か…。そんな消え入りそうな弱々しい声で。

「西野、大丈夫か?どこだ?妙な言い方をしてないで来たらいい」

プー…あ。…切れた。はぁ…どこだ。西野。どこに居る。…様子が変だし、…こんな時こそGPS機能だよな。使えないなんて。
車で出るか…。いや、近所に来ているのかも知れない。

カチャ。取り敢えず近くを探してからにするか。

RRRR…。『留守番…』
…出るつもりがないのか……バッテリー切れか…電源を切ったのか。西野…。はぁ、どこに居る。

…西野。…西野。はぁ、…どこだ。…どこに居る。
西野。俺のところに来るんだろ?来い。迷ってないで来ればいいんだ。
どこに居るんだ…西野。
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