押しかけ社員になります!
「部長…」
あっ?どこだ?西野、どこから声がしてるんだ。
「…部長」
……居た。…はぁ。…西野。
駆け寄った。
「部…」
「バカヤロー!」
…はぁ。
「何してるんだ!どうしたんだ。電話は?どうなってる」
「……携帯はもうバッテリーが切れてしまいました。ごめんなさい」
「はぁ…ここまで来ていてどうした、何故すぐ来ない。何だ。何がどうしたんだ。心配するだろ?」
「部長…」
部長の脇に腕を差し込んで身体をくっつけた。
はぁ…。西野?……あぁ…。片手を背中に回した。
「…会いたいと思ったんです。でも、それでは弱いから…。止めようと思って。でも、帰る事も出来なくて…」
「来ればいいだろう?ん?何を迷ったんだ」
今の俺は情けないくらいテンパっている。取り敢えず無事見つけられて良かった。それしか頭に無かった。
「…解りません。どうしたらいいか解らないから」
はぁ、さっぱり解らん。何か不安になる事があった事は確かだろう。
「解らないって…取り敢えずうちに…」
西野が首を振る。
「ううん。帰ります。会えましたから」
もう…解らない。最初の言葉通りにするというのか。
「大丈夫か?しっかりしているのか?ちゃんと部屋に帰れるのか?」
「はい」
「解った。それなら送る。大丈夫というのと危険とは別だ。こんな時間に一人で帰らす訳にはいかない。だから絶対送る」
「すみません。…ご迷惑を…」
「何言ってる。駐車場まで歩けるか?」
「はい、それは大丈夫です」
この不安定さは、何があったんだ。ただ会いたくて連絡して来たのとは違うとは思っていたが。
帰って一人でちゃんと消化出来る事なのか。
「西野、さっきはいきなり怒鳴って悪かった。何か…話を聞かなくても大丈夫なのか?」
「はい」