押しかけ社員になります!
大Jump?

はぁ、…参ったな。西野が寝ていたんだと思い始めたら、眠れなくなってしまった。
今朝まで西野はこのベッドに居た。
俺のパジャマを着て寝ていた。
昨夜、寝室に連れて来た途端、服を脱ぎ始めたのには驚いた。
慌てて制止しようとしたが無理だった。間に合わなかった。
ベッドを見たら条件反射だったのだろうか。
不思議なやつだよな。
脱いだら躊躇せずベッドにダイブして潜り込むし。

そのまま寝かせても問題は無かっただろう。
布団に入ってしまえば、別に誰の目に触れる訳でもないのだから。だけど、なんだか嫌だったんだ。
西野を下着姿のままにしておきたくなかった。そんな格好のままにさせたくなかった。だからパジャマを着せた。

着るのを嫌がる西野に、聞こえているのか、理解出来ているのか解らないまま、とにかく話し掛け、いいから着ろと、着せた。着たらまたすぐ寝た。
妙に緊張して悪戦苦闘した俺を尻目にだ。
スースーと気持ち良さそうに。

酔って寝てるという自覚も無いから、危ない目に遭うかも知れないという危機感も全く無い。
危ないと言えば、危ない状況なのにな。
俺だから…、まだ臆病者の俺だから良かったようなものだ。同僚だって、どんな男相手だって、この状況は襲ってくださいと言っているようなものなのだから。
ある意味ラッキーだったぞ西野。エレベーターで遭遇したのが俺で。
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