ちょんすけの冒険
しばらく歩き続けました。特に目新しい天敵はいませんでした。
頭上で鳥がキューキュー鳴いていた他、動物らしいものには気が付きませんでした。
大きな木の根元にある隙間にちょうどいい空間があったので、今日はここで寝ることにしました。
持ってきておいたドングリパンをリュックサックから取り出し、それを食べた後、毛布を被り、ゆっくりと深い眠りに入って行きました。


翌朝、目が覚めると、少し雨が降っていました。森ではよくあることです。ちょんすけは、少しがっかりしながらも、よくあることなので、気にせず旅を続けました。道はぬかるんでいて、滑りやすくなっていました。
泥がついてきそうです。慎重に歩いていくと、小川が見えてきました。この小川を越えないと、さく太郎の所へは行けません。ここには、以前からある枝切れでできた橋がありました。
ちょんすけは、その橋がどこにあったか探すと、少し崩れていますが、まだまだ渡れそうでした。
この橋を利用することに決めました。橋を渡ります。所々朽ち掛けていて、穴が開いていますが、慎重に渡れば大丈夫そうです。
ちょんすけは、穴に気を付けながら、橋を渡っていきました。

なんとか向こう側にたどり着けた時は、ホッとしました。これで、この冒険の最大の難関はくぐり抜けられました。あとは、それほど大変でない道が待っているだけです。ちょんすけは、フーっとため息をつき、リュックサックを背負い直して、再び歩き始めました。

そして、だいぶ歩き続けました。道も半分越えたところでしょうか。ちょっと休憩しようと思い、木陰で一休みしようとしました。座り込んで体を休めていると、なんだか違和感を感じます。それに、なんだかキツネの臭いがします。これは、キツネが近くにいるという印です。
ちょんすけは、木の根っこの陰に隠れました。
キツネがいなくなるまで待つつもりでした。
すると、茂みからキツネが出てきました。やはり、キツネはいました。
キツネはネズミの臭いを嗅ぎつけているのか、鼻をクンクンさせて、辺りをきょろきょろしています。
しかし、ちょんすけは、しっかり隠れているので、おそらくばれないでしょう。
今、逃げ出すわけにはいかないので、とにかくキツネが早く過ぎ去っていくことを祈るばかりです。

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