ちょんすけの冒険
ちょんすけは、狩りをする時以外は、家で必要なものを作っていました。パッチワークでできたベッドカバーもちょんすけが作り上げたものでした。
鍋敷きや、マフラー、手袋、壁にかかっているタペストリー、刺繍の額縁も、ちょんすけが作り上げたもの達でした。
今は、ポットカバーの制作に取り掛かっています。そんなふうに、手作りすることが大好きなのでした。



ネズミのちょんすけにも同じ仲間のねずみがいます。
離れて暮らしていますが、時々手紙が届きます。手紙は同じ仲間が、狩りの途中に届けてくれます。
不在の時は、直接渡すのではなく、郵便受けに入れておいてくれます。封を開けて、手紙を読むと、同じもりの西の方に住み、小川を超えて、大きな石が近くにある所に住んでいるさく太郎からでした。
彼とは昔からの知り合いで旧友です。
どうやら久しぶりに会いたいとのことで、お茶会のお知らせでした。ちょんすけは、うれしく思いました。
さく太郎の所に行くのは、2,3日かかるのですが、野宿できるように、リュックサックに必要なものを詰める用意にかかりました。
3日分の食糧(ドングリ、ゼンマイ、ドングリパン)、木の皮で作った水筒、毛布、そして細々としたもの(ナイフなど)、さく太郎へのお土産を入れました。

いつもの狩りでは、そんなに遠いところに行かずに、せいぜい家から半径1キロまでしか行きません。なので、いつも知っている辺りではなく、慣れない所まで来ると、少し身が引き締まりました。

道は覚えているのですが、最後に行ったのは、半年前なので、これから通る道は雰囲気が変わっているかもしれません。新たな野生動物の天敵がいるかもしれません。慎重に行動しなくてはなりません。

ちょんすけは、辺りを警戒しながら、ゆっくりと歩いて行きました。
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