その背中、抱きしめて 【上】
「私っ、私も同じ日に高遠くんを決勝で見たの。すっごく綺麗なフォームでどんどんスパイクを決めていくあなたから目が離せなかった。その日から高遠くんは私の憧れになった」
私が高遠くんを目で追っていたあの日、高遠くんも私を見ていたなんて。
そんな偶然ってある?
「入学式で高遠くんを見つけた時、息が止まりそうになったんだよ。あんなすごい選手、全国レベルの強豪校に進むとばかり思ってたから」
「俺、先輩と同じ学校でバレーやりたくて入学したんです」
え…?
「色んなツテで先輩の進んだ高校探して、それで入学したんです。まさか男バレのマネージャーやってるとは思わなかったけど」
「もうあの全国大会の時には肩と膝に爆弾抱えてて、痛み止めの注射打ったりしながら大会に出てたの。もうバレーはやっちゃダメだって医者にも言われてて。それで高校で男バレのマネージャーになったの」
自分が何喋ってるかよくわかんない。
でも高遠くんに言っておかないと。
伝えておかないと。
「女バレじゃなくてあえて男バレにしたのは、練習試合とか公式戦でいつか高遠くんに会えるんじゃないかと思ったから。またあの綺麗なフォームのスパイクが見たかったから…」