その背中、抱きしめて 【上】
史上最高に重たい気分のまま、体育館へ向かった。
「ゆず、大丈夫か!」
みんな心配して駆け寄ってきてくれたけど。
「心配した」
といいつつみんなニヤニヤしてる。
もうほんと恥ずかしい!
担架でで運んでくれた方が良かった!!
でも、高遠くんにお礼を言っておかなくちゃ。
ここからバンガローまで歩いて5分くらい、抱っことか…重かったよね。
「高遠くん」
気まずい!
最高に気まずい!!
「…大丈夫ですか?」
いつも通りの感情が入ってないようなそっけない口調。
「うん、もう大丈夫。高遠くんが運んでくれたんだってね。練習で疲れてるのに重かったでしょ?ごめんね。どうもありがとう」
頭を下げる。
「いいえ」
そっけないけど、今の私にはこのくらいがちょうどいい。
お礼だけ言って、高遠くんの前から逃げるように離れた。