その背中、抱きしめて 【上】





「…でも、だから心配なんだよ…」

「え…?」

急に高遠くんの目が切なげに揺れた。


「次行こう」

手を優しく引っ張られてまた歩き出す。

そのまま手を繋いで歩いていることが恥ずかしいけど嬉しい気持ちもあって、私、何だか舞い上がってる。



広大な動物園はいくつかのエリアに分かれてる。

インドゾウを先頭に、今歩いているのはジャングルゾーン。

そして、草原・サバンナゾーン。

ヒマラヤなどの高い山に住む動物の、高地ゾーン。

それから、北極・南極などの寒帯ゾーン。

他に、実際に動物に触れるふれあいゾーンもあって、ここでは動物の赤ちゃんを抱っこできたりするかなり人気のゾーンなんだ。



この動物園、普通の動物園よりもレアな動物がたくさんいて、なにげに高遠くんも興味ありそう。

実は、動物園なんて子供っぽくて高遠くんつまらないんじゃないかなって昨晩考えちゃったんだ。

女子は動物好きだけど、男子は別に興味ないんじゃないかなって。

動物園より遊園地の方が良かったかなって。


だから、高遠くんの表情を見て、少しホッとした。



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