その背中、抱きしめて 【上】
時刻は夜7時過ぎ。
タクシーに乗り込んで、お母さんに今から帰るってLINEを送った。
家に着いた時には8時少し前。
私服で帰ってきた私にお母さんとお姉ちゃんが驚いた。
「制服ずぶ濡れになっちゃって、風邪ひくからって高遠くんが貸してくれたの」
「あらあら。じゃあ制服ちゃんと干して乾かしておきなさいよ。濡れたんだったら先にお風呂入っちゃいなさい」
「はーい」
部屋に戻って荷物を置いて、お風呂に行く。
チェックのシャツを脱いでからTシャツを脱ぐ時、洗面台の鏡に映る自分を見て赤面した。
鏡に映るお腹。
(こ、このぐらいまで裾捲られてたってことだよね…)
肌に直接感じた高遠くんの手の温もりを思い出す。
少し低めの体温。
大きな手。
細くて長い指。
なのに、ゴツゴツした感触が”男の人なんだ”って思わされる。