その背中、抱きしめて 【上】
「でも柚香は翔くんに面倒見てもらったり勉強見てもらったり、どっちが先輩かわかんないよね。恥ずかしっ」
お姉ちゃんが両手で口を押さえながら笑う。
「ちょっとお姉ちゃん!」
「だって本当じゃん。でも勉強見てもらっておバカな柚香の成績上がるんだから、やっぱり翔くんはすごいよね。さすが成績学年トップクラス」
”ほんとほんと”ってお母さんがクスクス笑った。
「いや、それは先輩が頑張ったからですよ」
「うんにゃ、翔先生の教え方がいいからだよ。てか、アンタ2年の勉強範囲を1年生が教えるっておかしいから!!悔い改めなよ!!」
急にお姉ちゃんが私に鬼の形相を向ける。
「え、いきなり何!?」
お姉ちゃんとのバトル勃発。
いつも口じゃ勝てないけど、高遠くんの前で恥晒ししてくれるとか勘弁ならないんですけど!
そこに、パーーーーンという破裂音。
「柚香、お姉ちゃんも!せっかく翔くんが来てるのにケンカ始めるんじゃない!今日はメリークリスマス☆」
お母さんがクラッカーを鳴らしたんだ。
お母さん以外の4人は目がまんまる。
「…ぷっ」
「あはははははは!お母さんクラッカーなんて用意してたのー?」
しんみりモードからの姉妹ケンカ。
そしてクラッカー。
高遠くんも笑ってる。
お母さんの作戦勝ち、だね。