その背中、抱きしめて 【上】
「あ、ゆずおかえり。どうだった?高遠くん喜んでくれた?」
教室に戻ると、さくらちゃんと羽柴くんが笑顔で出迎えてくれた。
「あれ?どした?すっげぇ顔赤いけど」
「…反則なの。高遠くん反則技をコンボで使ってきた」
両手で顔を隠す。
思い出しただけで顔から火が出そう。
たぶん午後の授業はまともに受けられない…。
「ま、要するに予想以上に喜んでくれたってことね」
さくらちゃんが私を指で突っついてニヤニヤする。
「ありがとう、さくらちゃん!」
感謝してもしきれないくらいの気持ちを込めて、さくらちゃんに抱きついた。
「ほんっとゆずは可愛い!」
ぎゅっと抱きしめ返される。
「高遠くんにもそうやって素直に甘えたらいいのに。そうすれば高遠くん喜ぶよ。ゆずは端から見てても焦れったいくらい遠慮がちなんだから」
小さい声でさくらちゃんが言う。
「だって…恥ずかしいんだもん。それに姿とか顔とか見るだけでドキドキしちゃって無理だよ」
「まぁ類い稀なイケメンだからね。ゆずの気持ちもわからなくもないけど。でもいつまでもモジモジしてたら、そのうち積極的な女子にベタベタされちゃうかもしれないよ?」
積極的な女子…。
胸大きくて、やたらセクシーで、放送禁止用語使って高遠くんを部屋に呼ぶとか…?
(イヤァァァァァァッ!!!)
頭を抱えて脳内絶叫!