その背中、抱きしめて 【上】
(でも高遠くん特待だろうから、今はまだどこ行くかわかんないもんなぁ)
大学のバレー強豪校の中には私の頭じゃ到底及ばない偏差値のところもいくつかある。
(マネージャーじゃスポーツ推薦ないしなぁ…)
これは、私の高校卒業と同時に高遠くんと離れ離れ決定なんじゃ…。
だって強い運動部なんて寮生活のところ多いよねぇ?
高遠くん寮生活で学校も違ったら、もう全然別世界の人になっちゃうじゃん。
会えないよ。
「百面相のあとは難しい顔?何変なこと考えてんの?」
高遠くんが嫌そうな顔をする。
「…進路について本気で悩んでます」
「進路?…先輩来月から3年だもんね。でも進路の前に学年末でしょ」
そうなんだけど。
目の前のテストが大事なんだけど。
「高遠くん。私、死ぬ気で頑張る」
「うん、さっき聞いた」
どの大学でも行けるように学力を上げる。
今からじゃ遅いくらいかもしれないけど、死ぬ気で頑張る。
だから、高遠くんが進む大学に1年早く入学したい。