その背中、抱きしめて 【上】



「年表なんて全部覚えられないから、試験に出そうなところだけ語呂で覚えるんです」


そう言って、年表にマーカーでいくつも線を引いていく。


「でも、その試験に出そうなところがわからないじゃん」

「だから俺が出そうなところにマーカー引いてるでしょ。先輩はこれだけ覚えれば大丈夫」



え、結構あるじゃん…。



「ねぇ、何で高遠くんは試験に出そうなところわかるの?日本史の先生と裏で繋がってるの?」




ぺしっ!



「痛ぁ!」


高遠くんが、持ってた定規で私のおでこを叩いた。




「先輩、バカなの?そんなわけないでしょ。だいたいテストに出る問題なんて決まってるんですよ。重要な出来事と年号って決まってんの。それを絞って勉強すれば満点は取れなくてもそこそこの点数は取れるんですよ」



へぇ…。

もしかして、高遠くんってすごいキレ者なんじゃなかろうか。

うちの学校なんかより、もっともっと進学校に行けるくらいの頭の良さだったりして。




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