その背中、抱きしめて 【上】



みっちり高遠くんに教えてもらって、ちょっと日本史が楽しくなってきた。


「そろそろ帰りましょうか。もうすぐ完下(かんげ)の時間だし」



そうか、そろそろ完全下校の時間だ。

空も少し薄暗くなってきてる。



「ごめんね、どうもありがとう。これで日本史はどうにかなりそう」

「ちゃんと家帰ってから復習してくださいね」

「…はぁい」





肩を並べて駅まで歩く。

何でだろう、緊張する。


今までほとんど話したことないからかな。

だから何を喋ったらいいかわからないからかな。



「先輩、明日も図書室ですか?」

「え?うん。家に帰っちゃうと色々誘惑があって勉強あんまりできないんだよね」

「じゃあ、明日も教えますよ」



え…?



「いいの?」

「いいですよ。だって、先輩テストやばそうだもん」



後輩にやばそうとか言われる私って…。

しかも1年生に2年生の勉強を教えてもらうって…。




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