その背中、抱きしめて 【上】



「私、バレーやるには背が小さいでしょ?だからその分人より跳ばないと人並みにならないんだよね。だから毎日ジャンプ力をつける努力をしたんだ。あと腕の振りを速くする練習とかね。みんなよりも体格が劣ってる分、努力で何とかしなきゃいけなくてさ。だから、高遠くんみたいに何でも備わってる人って憧れるんだぁ。…ってごめん。ベラベラ自分のことばっかり」


やっちゃった。

恥ずかしくて下を向いて、もう一度おそるおそる高遠くんを見上げると、さっきよりもちょっと優しいに顔になってる気がした。


「俺だってコンプレックスだらけですよ」

「どこが!?完璧じゃん!!」


わ、また私ってば言葉に力入れて…恥ずかしい。。。


「俺だって体格には恵まれてないですよ。アタッカーとしては背が小さすぎる。ナショナルチームだと190センチ以上が普通でしょ?俺、177しかないですから。それを補うには、先輩と同じようにジャンプ力と速い腕の振り、それからコースの打ち分けとか人並み以上のことをしなくちゃいけないんです。人と同じじゃ背が低い分不利になる。全然完璧なんかじゃないですよ」



高遠くん…。




「ま、背が低いの以外は完璧かもしれませんけど」





なっ…!

やっぱり自分が完璧って自覚あるんじゃん!!

これだから完璧な人は憎たらしい…!!

私みたいな凡人とは別世界だよ!!


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