その背中、抱きしめて 【上】
「あ、春休み入る前にそいつらに会っとく?」
「え?」
ずいぶんいきなりじゃない?
今から?
それとも今度?
(…っていっても、春休みまでもう何日もないけど)
そんな私の脳内グルグルを見抜いたのか、高遠くんがふっと笑う。
「今日じゃないよ。今日は先輩の誕生日だから俺が独り占め」
独り占め…。
(ちょっ…!可愛いんですけど!!独り占めって!)
どうぞいつだって独り占めして下さい。
「あと春休み前で部活ないのは終業式だけか。せっかく半日以上時間あるから2人で遊びたいな…」
高遠くんが独り言。
2人で遊びたいって言ってくれるのは嬉しいけど…。
「終業式の日でもいいよ、その子たちに会うの」
ちょっと私もノリ気になってきた。
どんな子なんだろう。
どんな選手なんだろう。
きっとうちの学校には高遠くんに憧れて入学してくるんだろうし、全国優勝もしてる選手だから楽しみすぎる。
「じゃあ、昼ごはん一緒に食べよ。食べ終わったらあいつら呼ぶから」
「いいよ。高遠くんと学校帰りにご飯食べるの初めてだね」
また高遠くんとの初めてがひとつ増える。
4月からの新学年、高校最後の年はどんな1年になるんだろう。
私と高遠くんはもっと仲良くなれるのかな。
全国に行きたいね、高遠くん。