その背中、抱きしめて 【上】
2人でネットを220センチに下げる。
それから2人でパスをした。
高遠くんは私がパスしやすいところをちゃんと狙ってくれて、すごくやりやすい。
こういうのもきっと気遣いなんだなぁ。
まぁ、ちゃんと狙ったところにボールをパスできる技術があることが前提だけど。
「そろそろ大丈夫。やろうか。ライトからでいいの?レフトにする?」
「ライトがいいです」
アタックラインまで下がる。
高遠くんがすごく打ちやすいオープントスを上げてくれた。
踏み切ってジャンプする。
左手を振り切ったら、ボールは勢いよく床に叩きつけられた。
高遠くんが両手を上げて歩いてくる。
「ナイスキー」
私も両手を上げて高遠くんにハイタッチした。
「ナイストス」
ハイタッチした瞬間、私の胸もドキンって音を立てた気がした…。