その背中、抱きしめて 【上】
「はーーーーーぁ、お風呂気持ちいーーー」
さくらちゃんと2人だけでお風呂。
「さくらちゃん、疲れてるからみんなと一緒に早くお風呂入った方が良かったんじゃない?」
「いいのいいの、ゆずと裸の付き合いをしたかったんだよ。っていうか、昼間の話の続きをさ」
昼間の話…高遠くんのことか。
「…そういえばさくらちゃん、今日夜連の前に1人でスパイク打ってみようと思って体育館に行ったのね。そしたら高遠くんが来てスパイク打ってくれって」
「夜連の前の自由時間だよね?高遠くんが体育館行ったの?」
「うん。それで1本打ってみたら『あの頃と変わらない』って言ったの。どういう意味だと思う?」
さくらちゃんが考え込む。
しばらくたってようやく口を開いた。
「まずね、高遠くんが何で自由時間に体育館に行ったか。その1、練習がしたかった。その2、ゆずを見に行った。私はその2だと思うんだ」
その2って私を見に?
「なんのために?」
「それは本人じゃないからわからないけど…、ゆずが気になるんじゃないかな」