モテ系同期と偽装恋愛!?

「懐かしい……」

ついそんな感想を口にすると、隣で横山くんが嬉しそうに笑った。

「俺も今そう思ってた。ここに来たことないのに、なぜか懐かしいよな〜。紗姫、なにか食べよう」

「でも、この後飲み会だよ。
去年と同じなら、スナックに出前のお寿司が届くはずだけど」

「大丈夫、大丈夫。
屋台と寿司は別腹だっていうだろ」

そんな言葉は聞いたことがないと思いながらも、ソースが焼ける香ばしい匂いに誘われて「焼きそば食べたい」と口にしていた。

「オッケー。じゃあ焼きそばと、イカ焼きと、長野に来たからにはやっぱ、おやきは食べとかないとな。
お、チョコバナナもある。基本も抑えとかないと」

さすがにそれは食べすぎでは……。

そう思う私を連れて、横山くんは人波を縫って屋台を回り、言った全てを買ってしまった。

両手に食べ物を持った私たちは奥へと進み、神社の本殿まで来る。

神様の前で食べていいものかと心配したが、ベンチが並べられ、ゴミ箱も設置されているし、地元の大人たちはビール片手に焼き鳥を食べているので許されるのだろう。

子供たちはヨーヨーを振り回しながら鬼ごっこしているし、ここの神様は心の広い神様なのだと理解した。

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