モテ系同期と偽装恋愛!?
中に入ると楽しげな音楽が聞こえてきて、やはりと言うべきか、親子連ればかりだ。
賑わっているが混み合うとまではいえない盛況ぶりで、奥の方に目を凝らすと大きな池のある公園の方が人が多いように感じた。
「全種類、制覇しよう!」と、横山くんは腕まくりをしてなぜか気合いを入れている。
全種類といっても、乗り物は6種類しかないのだけれど……。
まずはコーヒーカップ。懐かしさと共に恥ずかしさを感じてしまうのは、他のカップに乗り込んだお客さんの全てが子供連れだから。
やっぱりここは小さな子供向けの遊園地なのだと再認識する。
いい歳した大人の私たちがデートしている姿が、かなり浮いて見えていそう……。
係りの人がコーヒーカップを順に回って、ドアを閉めて行った。
恥ずかしさに俯いてしまった私に、横山くんは力説する。
「紗姫、こういうのは楽しんだ者勝ちなんだ。
童心に返ってはしゃぐのが正しい行動。コーヒーカップは全力で回すのが正解。さあ、行くぞ〜!」
え……全力で回すって……。
ブザーが鳴り響き、嫌な予感に私は慌ててカップの縁を両手で掴んだ。
そして動き出したカップの中で、私は悲鳴をあげることとなり……。