モテ系同期と偽装恋愛!?
宣言した通りに横山くんは、コーヒーカップの中心にある丸テーブルのようなハンドルを勢いよく回し始めた。
乗っているカップの回転速度が一気に上昇し、すぐに周囲の景色が見えないほどになる。
や、やめて……目が回りそうだし、体が……。
4人定員のカップの中で、私は彼の正面に座っていた。
シートベルトのような体を固定するものは付いていないので、遠心力で体がズズズと流され、アッと思った時には右半身が彼にくっついていた。
「なんだよ、触るなと言っておいて、自分からくっついてきてんじゃん」
そう言って彼は楽しそうに笑い、調子に乗って更に回転速度を上げようとする。
焦った私はコーヒーカップの縁にかける両手に力を込め、なんとか体を離そうともがきながら反論した。
「私のせいじゃないわよ。横山くんが回しすぎるからじゃない。もういい加減に……キャアッ!」
「おっと、大丈夫?」
距離を開けようとして腰を浮かせたのが悪かったのか、バランスを崩して彼の膝の上に自ら座ってしまった。
「紗姫ちゃん、だいたーん」
私の体に腕を回して支えつつ、茶化す彼は嬉しそう。
横山くんの整った顔が数センチの距離にあり、女性のものとは明らかに違う逞しい二本の腕に抱きかかえられ……。