モテ系同期と偽装恋愛!?

そういうのにハマるタチとは、どういうことなのか……。

普通は自分と大きく考え方の異なる人とは、距離を置きたいと思うはず。それなのに、好意的とも取れる言い方をされてしまい、意味が分からず聞き返した。

しかし説明はもらえない。

暑いのかVネックの白いTシャツ姿になった彼は「持ってて」と、脱いだ水色のカッターシャツを私の腕の中に放り込んだ。

「え、まさか……」

ひとりで乗るつもりだろうかと目を丸くする私に、横山くんはニッと笑う。

「27歳の男でも、メリーゴーランドを楽しめるところを見せてやる」

台詞はおかしいが、まるでこれから戦いに臨もうとしているヒーローのように少々カッコつけて言うと、彼は本当に遊具に繋がる三段のステップを駆け上がってしまった。

一度止まったメリーゴーランドは、お客さんを入れ替えて再び回り出す。

可愛らしい旋律のメロディに、上下にゆっくりと動く白と茶色の馬。

キラキラした飾りが太陽光を反射させてより一層輝いていた。

馬にも馬車にも、乗っているのは小さな子供とその親ばかり。

男の子よりも女の子の割合が圧倒的に多く、小さなお姫様がいっぱいいて笑顔が可愛らしかった。

そんな中で、大人の男性おひとりさまの横山くんは、明らかに浮いている。

彼のシャツを両腕に抱きしめ、回るメリーゴーランドを呆気にとられて見つめる私。

私の前を通るたび白馬にまたがった彼は「イエーイ!」と左腕を突き上げ、満面の笑顔を振り撒いている。

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