モテ系同期と偽装恋愛!?
周囲にはバドミントンをしている小学生の女の子に、ボールを蹴っている父親と小さな男の子。
三輪車を漕いでいる女の子に、サンシェードテントを持ってきて、中で昼寝をしている大人の姿もある。
いかにも休日の公園といった雰囲気のこの空間は、ゆったりと時が流れているようで心地いい……。
横山くんの隣でホットドッグを食べながら、ぼんやりしていた。
目いっぱい遊んで疲れてきたからか、それとものんびりとした周囲の空気と、涼しい木陰の風に吹かれているせいか、30センチもない隣に男性である彼が座っていても、不思議と気を抜いていられた。
私の手の中には残りふた口分のホットドッグがあるけれど、横山くんはとっくに食べ終えている。
長い足を前に投げ出し、ベンチに浅く腰掛け、両手を頭の後ろに組んであくびをしているところを見ると、彼もこのまったりした空気に溶け込んでいるのが分かった。
あれだけハイテンションに子供のように遊べば、あくびのひとつが出るのも無理はないが……。
水面を見つめる彼が「この後ボートに乗る?」と聞いてきた。
「乗らない」と即答したのは、恐怖心を感じてしまうことが予想できるから。
今こうして気を抜いていられるのは、逃げ道があるからだ。でもボートに乗って水の上に出てしまえば、勝手に逃げることはできないもの。