モテ系同期と偽装恋愛!?

「すげー嬉しい、ありがとう」と極上の笑顔を向けられて、心臓が大きく跳ねた。

「もらったのは私の方で、横山くんはくれた方なのに……」

だから、お礼を言われるのはおかしい気がした。

「うん、でもありがとう。贈ったものを使ってもらえるのって嬉しいじゃん」

横山くん……。
整った笑顔を見ながら、考え込んでしまった。

そう言われたらその通りかもしれないけれど、私には中々言えない台詞だ。言われるだけでも恥ずかしく感じてしまうもの。

そんな言葉をサラリと口に出してしまえるのは、横山くんが素直な性格をしているからなのか……。

でも、これまで社内で何度も困るような言葉を言われ、からかわれたり絡まれたりしてきたことも事実。

彼は意地悪な人なのか、それとも素直で純粋な心の持ち主なのか。

横山くんて、よく分からない人だ……。


1時間近くベンチでゆっくりと休憩し、ゴミを片付けで立ち上がる。

公園から遊園地の方へ戻りながら「なに乗る?」と彼が聞く。

「うーん……」

一度休んでしまうと、さっきみたいに気持ちを盛り上げることが難しい。

ムキになったゴーカートも今は乗りたい気分ではなく、メリーゴーランドに横山くんがひとりで乗る姿を見ても、もう大笑いできない気がした。

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