それは秘密です
そこで杏ちゃんは再びマルゲリータちゃんを手に取り、今度こそ口元へと運んだ。

私もひとまずそれに倣い、同じようにお皿に取り分けておいたピザを持ち上げ、かぶりつく。

せっかくのご馳走、早く食べないと冷めて硬くなっちゃうもんね。


「……しっかし、加東さんて、すんごい自信家だよねぇ」
「ん?」


お互いが口の中のそれを飲み下した所で、杏ちゃんは話を再開した。


「だってさ、そんな忙しい仕事の合間に、さらっとやっつけ感満載で女の子に告白なんかしちゃうんだもん。『ロマンチックでムーディーな演出なんかする必要はない。俺なら簡単に落とせる』って、思ってるってことでしょ?」
「……だよね」


そう考えると何だかな…と思う。


「さすが、入社時…いや、おそらく幼少時代からモテまくりな人生を歩んで来たであろう男だけあるよね」
「だけどそんな人が私に告白したなんてのがバレたら、とんでもない大騒ぎになるだろうね」


自分で自分の言葉に思わず身震いした。


「『何であんな子が選ばれるの!?』『顔やスタイルが良い訳でもないのにっ』『地味を通り越して中学生男子レベルの色気のなさじゃん!』とかさ」
「いや、そんな自分を卑下せんでも…」
「特にベテランのお姉さま方に何を言われることか…。それも頭を悩ませている要因の一つなんだよね」
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