マシンガン LOVE ～この想い、あなたに届け！～

　言われたとおりにやっていればそれでいい。
　なにもむずかしいことなんてない。
　だって、自分でなにひとつ考えなくていいから。

　“―― お気楽 ――”

　その言葉が日本一似合うのは、きっと私。

「すみません、課長。おっしゃる通り、私、指示された仕事しかやっていませんでした」
「……え？」
「木本亜衣、戦略チームに入ったら、粉骨砕身頑張ります！　給料をもらってますからね。社会人になって一年半、未だに新人みたいに働いてちゃいけませんよね！」

　私が胸の前で握りこぶしを作って力説すると、金山課長は緩慢に笑みを浮かべた。

「なんだかよくわからないけど、その意気だ！　君がそんなにやる気を出しているなら、私も勇気を振り絞って鬼塚課長に頼んでみようかな。戦略チーム入りを」

　あははと乾いた笑いを漏らす課長につられ、私もにこやかに笑みを返す。
　これはもしかして、交渉成立ってこと？！

「勇気を振り絞ってって……課長、大げさですよ」
「だってあの鬼塚課長だぞ？　怖いんだよ……顔が」

　たしかに鬼塚課長はいつもしかめっ面で、ニコリとも笑わない。
　温情という言葉が似合わない、冷徹な感じの人だ。