マシンガン LOVE ~この想い、あなたに届け!~
 たしか年齢は、金山課長より鬼塚課長のほうが年下のはずなのに。
 でも私は、そんな金山課長のほうが人間味があって好きだ。

「課長、ありがとうございます!!」
「よろこぶのはまだ早い。却下されるかもしれないだろう?」
「あ、そうですよね。今、逆セクハラ気味に課長に抱き着いてよろこびそうになりましたけど、やめときます!」
「そうしてくれると助かるよ」

 ふたりして吹き出すように笑って、ミーティングルームをあとにした。
 私は金山課長の部下で良かった。よく考えたら、こんなにいい上司はいないかもしれない。
 いつも気遣ってくれるし、残業をすれば労ってくれる。やさいお父さんみたいな人だ。
 自分の恵まれた環境を改めて実感し、この幸運に感謝した。

 私にはなにもない。
 だぐいまれな頭脳も、すぐれた容姿も、機転の利く性格も。

 だけど、私には“運”がある!!
 運だけでここまできたようなものだ。

 だから今回もきっとうまくいく。
 神様が味方してくれる。

 根拠のない自信とともに、気合を入れなおして午後の業務に励んだ。

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