サプライズは、パーティーの後で ~恋に落ちた御曹司~
真裕は、メニューを見ながら、長い指でテーブルをトントンと叩いている。
真裕の指、長くて整っていて力強い。
トントンと、強くテーブルに打ち付けてる。
その癖が言いたくないことを言わなきゃいけない、あるいは、面倒くさいって時にやってしまう癖だって気が付いていた。
「真裕さん?悩んでるでしょ?」
それとも、悩んでたのかな。
「悩んでない……」
彼の薄い唇は、反射的にそう答えただけで何も答えてくれない。
「嘘なのわかってるよ。ちゃんと話して。ずっと前に結論出てるんでしょ?時間は十分にあったもの」
「結論って、何だよ。そうじゃなくて、俺はどうしていいのか分からない……」
「それって、私のこと?私のことで悩んでるの?」
彼は、頷いた。
私は、天井を仰ぐように見る。
豪華なシャンデリアがあった。
ずっとそこにあったのに、ただ、こうして頭上にあるっていうだけで、全然気が付かなかったことに驚いた。
自分の想いで一生懸命で、大きな存在を忘れていたなんてこともよくあることだ。
もう一度、彼に向き合ってまっすぐに彼を捕えて言う。
「ねえ、真裕さん?今までのこと、無かったことにしても構わないよ」
「急に、なに言い出すの?」
「だって、迷ってるんでしょ?」
真裕が力なく言う。
「迷っても仕方ないだろ?一生のことなんだから」
「真裕さんは、選択肢がありすぎるんだよ。だからわからなくなるんでしょ?」
「なに言ってるの?」
「ねえ、一人になって、冷静になって気が付いたんでしょ。私なんて、よく見たら、会議室で慰めてあげてた女の子の一人だったって?そんな子に、大変なこと言っちゃったって、後悔してるんでしょ?
だだちょっと違ったのが、同じく失恋して幹事になって、特別な場面で偶然隣り合わせて、気持ちが通じ合った気がしただけ。
受けた傷が癒えてしまえば、また元のあなたに戻る。そうじゃないの?」
「違うって」
彼は、首を振って簡単に否定した。
「そう、だとしたら……」
私は、大きくため息をついた。
残る理由は一つしかない。