クールな先輩を恋の矢で射止めます
「花、わたしもそろそろ限界。また明日見に来ない?」
雪名先輩を楽しみにしてた春歌もさすがに疲れちゃった様子。
腕時計を見ると1時間近く経っている。
でもちょうど同じ時に諦めた女子たちが帰って行って、あたしの目の前にはもう誰もいなくなった。
どうしよう、もうちょっとだけ見ていたい。
だって背伸びをしなくても普通に見られるんだもん。
この際、雪名先輩はもう見れないって諦めて、もし入ったらゆっくり見られないだろうし先輩たちの弓を引く姿、その矢が的に当たるのをもっと見ていたい。
「ごめん、あたしはもうちょっとだけ!だから先に帰っててくれる?」
「分かった!じゃあ先に帰らせてもらうね」
春歌に手をヒラヒラと振ると、1人になったあたしはまたじっと見続けた。