クールな先輩を恋の矢で射止めます



「花、わたしもそろそろ限界。また明日見に来ない?」



雪名先輩を楽しみにしてた春歌もさすがに疲れちゃった様子。



腕時計を見ると1時間近く経っている。



でもちょうど同じ時に諦めた女子たちが帰って行って、あたしの目の前にはもう誰もいなくなった。



どうしよう、もうちょっとだけ見ていたい。



だって背伸びをしなくても普通に見られるんだもん。



この際、雪名先輩はもう見れないって諦めて、もし入ったらゆっくり見られないだろうし先輩たちの弓を引く姿、その矢が的に当たるのをもっと見ていたい。



「ごめん、あたしはもうちょっとだけ!だから先に帰っててくれる?」



「分かった!じゃあ先に帰らせてもらうね」



春歌に手をヒラヒラと振ると、1人になったあたしはまたじっと見続けた。



< 13 / 71 >

この作品をシェア

pagetop