クールな先輩を恋の矢で射止めます
「…………。」
「今確認してくるけど、たぶん一人も1年いないよな。部活始める時はたくさんいたけど、間違いなく雪名目当てだし」
「……どうでもいい。真剣にやりたいヤツだけが入ればいい」
「そりゃそうだけど。それじゃあ弓道経験者なんてなかなかいないだろうし、そのうち廃部になるかもしれないだろ!」
話を聞いていると、目の前に袴を着た人が出て来て、的のある所に立った。
その人の手には片方には大きな弓、もう片方は矢を持っていて。
大きく息を吸うために肩を上げた。
そしてその人が矢を放った瞬間……
「あっ……」
と無意識に声を上げてしまった。
今までずっといろんな人の姿を見て来たのに、この人の弓の引き方は他の人と全然違って綺麗だなって思ったんだ。